特集!!|建物を支える。すべての職人を支える。鳶職人!金子架設工業(株) | POWER WORK[パワーワーク]

都内某所で建設中の超高層オフィスビルの現場。他業者のための足場やタワークレーン、工事用エレベータを組む鳶職人の仕事を取材しました。

現場全体の安全と効率。現場の中心にいる鳶職人。

 建物を構成する柱や梁、床、基礎など、躯体と言われる部分に密接に関わる職種が3つある。躯体三役と呼ばれるその職種は、鉄筋を組む鉄筋工、コンクリートを流す型を組む型枠工、そして鳶工。この道29年の吉原さんは、

「建設現場のすべてにおいてオールラウンドに関わる仕事が鳶工」という。

「何でもできるのが鳶。すべての職人を支えるのが鳶。困っている職種があったときにサポートできるのが鳶だと思っています。私たちが組むものは足場のほか、タワークレーンや工事用エレベータなど完成後には撤去されるものも多い。でもこれらが無ければ他の職種の職人たちは決して作業ができません。工程によっては現場のメインとなる作業が鉄筋工や型枠工であっても、私たち鳶工は必ず近くにいて、多くの職人を支えます。例えば安全で作業しやすい足場を組み換えたり、通常では吊り上げられない資材を吊れるようにするなどですね。すべての職人が安全に作業できる環境をつくり、臨機応変に現場全体を支えられる職人がウチの考える鳶工。だからなんでもできる技術と知識を教えています」

鉄筋工の作業が進むにつれて、足場や親綱など各職人が安全に移動・作業できる足場を組む。鳶工は現場の最前線に真っ先に立たなければならない

吉原 宗孝さん 50歳
この道29年のベテラン。鉄骨鳶になろうと21歳で鳶工になるが、仕事を覚える毎に幅広い技術の必要性を感じ、26歳で金子架設工業に転職する

信頼関係で繋がる三上さん(左)と簡さん(右)。
丁寧に仕事を教えることが、お互いの危険から身を守ることに繋がる

幅広い作業に対応する鳶工に求められる技術、知識、経験が一通り身に付く目安は7年という。その集大成が、現場全体を左右する“地走り”だ。

「鳶工には高所作業のイメージが強いと思いますが、地上で資材を準備する“地走り”は経験を積まなければ務まりません。作業の流れを把握し、次の工程を予測しての行動が必要。高所で作業する職人の手が空いたり、無駄に急がせることが無いようにコントロールします。ここがうまく機能している現場は、作業がスムーズで安全です」

 油断はもちろん、作業に追われて決められた手順が守れなくなることも即、不安全行動に繋がる。その影響が現場で働くすべての職種に波及するのは、鳶工が各職人たちと密接に関わっていることの証だろう。鳶工がつくり上げるものは職人それぞれの安全。そして現場全員が力を結集させた建物という形の誇りだ。

今号の取材協力は……

金子架設工業(株)
(小谷グループ)
TEL.03-5600-1101
東京都江東区新大橋1-8-2
◆創業 1889年
◆社員数 35人(下請け含む職人数約500人)
http://www.kanekokasetsu.co.jp/

創業から130年を超える同社。現場は都内がメインで高層ビルや大型の商業施設など。「幅広い鳶の仕事が覚えられることが特徴」と吉原さん。親方同士、職人同士の仲の良さが働きやすさの秘訣とのこと

POWER WORK 267号 2022.7.11発行
Photos/ Kuwahara Katsunori, Composition/ ad-giga

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