職人歴1ヶ月 田中 諒（29歳）
東京都出身。美容専門学校を卒業。美容師として働くが体調を崩し和菓子職人になる。家族の将来を考え、1年間の転職準備を経て大工になったばかり。
（株）野島工務店
内外装、水回り、設備などのリフォーム工事から、戸建て住宅の新築までをも請け負う同社。現場の多くは多摩地区を中心とした首都圏。20代前半の若い職人が多い。
◆042・519・7531
◆ 東京都昭島市昭和町4-3-20
◆ https://nojimakoumuten.co.jp/
◆ 設立2014年
◆ 従業員数 7名
家族のために転職を決意したならば、将来の可能性を考えながら慎重になるだろう。田中は１年の準備をして大工となった。
「建築業界はまったくの未経験。だからこそどんな仕事なのか知りたかったし、じっくり検討したかったんです。しっかり仕事の説明をしてくれて、家族と相談しろと言ってくれて、前職の引継ぎ期間の1ヶ月を待ってくれたのは今の会社だけ。今となってはそのことも転職成功の理由だと感じています」
大工の道に入ってまだ1ヶ月。できることは限られている。その短期間で学んだことは、コミュニケーションの大切さ、声を出すことのメリットだ。
「転職1ヶ月目の僕がやれる作業は、荷揚げや金物の取り付け、断熱材の仕込みなど。すべてが初めてやることばかりで毎日学んでいます。よく注意されるのは、声を大きく出すこと。分かっていても声を出すことは、お互いの安全のために必要なこと。同時に、着実に自分の自信に繋がっていることを実感しています。何より仕事が楽しくなる。声を出す意味を知ったのは驚きでした」
休憩中の会話はみんなを知るチャンス。言葉を交わさなければいけないこととは別に、言われなくても理解できるようになるには、雑談をする瞬間が大切だ。
POWER WORK259号 2022.3.14発行
Photos/ Masami Hiki, Composition/ ad-giga
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