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特集!!|パワーワーク インタビュー「新技術のコンクリート研磨。世界基準の技術を持つ職人を目指す!」(株)エイト
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海外で認められた独自技術を持つ、世界トップレベルの職人になれる!
近年、欧米の現場で主流になりつつある「コンクリート研磨」の床づくり。世界的にも認められた独自のメソッド(仕様)を持ち、施工と使用機材・資材を扱う日本の会社、エイトの職人から、その仕事についてお話を伺いました。
これからの日本で求められる、ポリッシュコンクリートの床。
コンクリート研磨という仕事はどのような仕事なのですか?
既存のコンクリート床を磨くことで強化し、そのまま床面に使用する。それがポリッシュコンクリート(コンクリート研磨)です。
日本において、床の処理は塗料を塗るか、タイルやカーペットを張るのが当たり前だと思います。一方、アメリカをはじめとした海外ではコンクリート処理の技術が進み、ポリッシュコンクリートの床が主流になっています。
なぜなら塗り替えや張り替えといったメンテナンスがほぼ不要。日ごろの清掃も簡単。汚れが目立つカーペットのヒール跡や目地は、ポリッシュコンクリートの床面にありません。お客様にとって、床面の維持が容易なんです。
コンクリートの表面を磨き、強化する研磨機。押し進める力や速さを全身で感じることで精度の高い平滑性を実現する。(写真提供/エイト)
メンテナンス以外のメリットはありますか?
鏡面に仕上げられることで明るい空間づくり。デザインされたブロックや骨材を埋め込めるなどデザイン性もあります。また表面処理の方法によって、滑り止めなど目的や用途に合わせた機能性もあります。
それ以上に既存と違うメリットは極高精度の平滑性と耐久性。本来求められる「水平で頑丈な床」をさらに高いレベルで仕上げられることです。
精密機械を据え付ける工場や病院のほか、最近では倉庫でも極高精度の平滑性が求められています。4トンもの重量物を容易に移動させるため、空気圧を利用した機械を使用している工場があるそうですが、そんな現場でも弊社のメソッドによって作られる平滑性と耐久性が役立っています。
メリットが多い技術のように感じますね。
だからこそ合理的なアメリカでは主流になっているんでしょうね。
たまたま弊社に外資系のお客様がいまして、「本国同様、コンクリートの床面にしたい」という相談を頂いたのが10年ほど前。当時は弊社にとっても未知の技術。そこから研究を重ね、技術の確立、機材や資材の開発を行いました。現在では「EIGHT POLISH CONCRETE JAPAN(エイトポリッシュコンクリートジャパン)」という弊社の名前の入ったメソッドがアメリカの公機関にも認められています。
海外で認められた独自技術を持つ、世界トップレベルの職人になれる!
仕事はどのように覚えましたか?
入社後の1年間で私がやっていた作業は清掃です。既存の床に張られていたタイルやカーペットを剥がし、コンクリート表面の接着剤を除去すること。研磨の機械を使用して、下地をつくることですね。
先輩が研磨機でコンクリート表面を削った塵を掃除機で吸引。そこで仕事の流れを覚えながら、研磨機で届かない細かい場所の研磨を手作業で1年ほど経験してから研磨機を使うようになりました。
研磨機は300キロ以上も重さがあり、稼働させたら動かし続けないと床が余計に削れてしまう。最初はそのプレッシャーと迫力に怖さを感じましたね。それでも研磨機が動く速さや体に感じる感触の違いを感じられるようになった頃、作業だけは何とかできるようになっていました。
そのうち「もっと滑らかな床にするには?」と考える余裕が生まれました。何種類も番手(粗さ)があるダイヤモンドカッターを始めとしたパーツ選び。回転スピードの違い。無限にある組み合わせの中から最適な一つを選ぶ勉強の始まり。気付いたら多くの現場で問題なく施工できるようになっていました。でもまだ自分は追い付きたい技術を持つ人がいる。まずはアジア圏で一番の技術を目指しています。
補修、強化、保護といくつもの工程を丁寧に処理して鏡面に仕上げたコンクリート研磨の床面。平滑性、光沢性、経済性、デザイン性を兼ね備える。(写真提供/エイト)
最後に読者にメッセージをお願いします。
求められる現場は一般の商業施設や住宅から特殊な機能を求められる空間まで幅広いポリッシュコンクリートの床は世界的にも主流となりつつありますが、日本ではこれから広がっていく技術。お客様が求める床を施工できる技術を持つ会社や職人は非常に少ないのが現状です。
だからこそ、これから働き始めて技術を身に付けることが、日本のトップに立つことと同じ。世界的にも最先端の技術であるポリッシュコンクリートは、将来の可能性を秘めた仕事です。
今回の取材協力は……
(株)エイト
TEL.042-645-2911
東京都八王子市明神町3-20-5 エイト本社ビル
◆創業:1988年
◆https://eight-jp.net
建築・土木・造園工事の他、不動産や建物管理、緑地管理、イベント企画など多岐に渡り事業を展開する同社。家族(両親、配偶者、子ども)の誕生日や結婚記念日の休暇など豊富な福利厚生が自慢。コンクリート研磨事業では、日本全国からその技術が求められている。
POWER WORK 257号 2022.2.14発行 Photos/ Yuzo Matsutani, Composition/ ad-giga
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