特集!!|砂利採取場で働く重機オペレータ。釼持工業(株) | POWER WORK[パワーワーク]

コンクリート骨材である砂において、日本有数の産出量と品質を誇る房総半島南部。千葉県君津市にある砂利採取場で働く重機オペレータを取材しました。

写真上
現場管理 林 英明さん 45歳
入社13年目

写真下
重機オペレータ 本吉 友和さん 45歳
入社9年目

広大な現場。巨大な重機。必要な繊細な感覚と技術。

 良質なコンクリートの材料となる砂が採取できる房総半島。君津市に砂利採取場を持つ釼持工業の現場では、油圧ショベルやブルドーザーが山を切り開き、ホイールローダーで積み込み、ダンプカーが首都圏の各現場へ山砂を供給している。その現場を任されているのは入社13年目の林さんだ。

「掘る場所、深さによって地層が変わり、採取される砂の性質が変わります。それは商品も変わるということ。その中で私の仕事は、必要な商品を必要量確保するだけでなく、安全に操業させることも含まれます。バックホー(油圧ショベル)で山を切り崩しながらのり面を切り(作業によって発生した斜面を整える)、ブルドーザーで砂を積み場に落とす。熟練オペレータたちがいるからこそ安全が確保されていますが、もちろん最初からうまくできる人はいません。平地の工事現場とは環境が違います。少しずつ慣れながら経験を積み、気が付いたときにはスゴ腕オペレータになっているんです」

 重機を扱う怖さを知るのは重機オペレータ全員に必要なこと。砂利採取場での怖さは、40tの油圧ショベルを担当する本吉さんが教えてくれた。

「重機の近くにダンプが接近する怖さなど、周りに相手がいる怖さは重機オペレータの誰もが味わうことだと思います。一方、人がいない砂利採取場での怖さはもちろんあります。例えば自分でのり面を切ったとき、どこまで重機を動かして良いのか? その判断は今でも怖さを感じます。感覚は、実際にやらなければ身に付かない。いくら理屈で理解してもダメなんです。ウチの会社は作業の範囲を指示され、その中でオペレータが自由に考えて作業させてくれるので、無理せず技術を身に付けられたと思います。それに林さんを含めて凄いオペレータがたくさんいるので、『林さんだったらこうやるのかな?』とお手本にしながら試すこともできました。怖さは忘れてはいけない重機オペレータに必要な感覚。その中で、昨日より良い仕事ができたときに充実感を感じます」

 広大な現場で、巨大な重機を操る。その作業から繊細な感覚と操作技術を身に付けること。工事現場とは違う重機オペレータの魅力がここにあった。

▲重機が作業する地面の整地や砂の掘削と押土、大量の砂を斜面から積み場へ落とすブルドーザー

▲油圧ショベルよりも大量の砂を運搬できるホイールローダー。積み場ではダンプへの積み込みに活躍する

▲山を掘削したり、ダンプに砂を積み込む油圧ショベル。オペレータの技量が問われるのはのり面の切り方。巧みなレバー操作のほか、音、振動など繊細に感じる感覚が要求される

今号の取材協力は……

釼持工業(株)
TEL.0439-55-0078
千葉県君津市作木237-1
◆1981年 設立 ◆従業員数 15人

日本有数の良質な生コン用セメント骨材である砂の産地、房総半島の君津市から日本全国に供給している同社。太平洋セメントのグループ企業で安定した基盤と仕事量がある。

POWER WORK 255号 2022.1.17発行
Photos/ Yuzo Matsutani, Composition/ ad-giga

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