特集!!|ポンプ車を操作し基礎や躯体をつくる。(株)誠商会 | POWER WORK[パワーワーク]

時間の経過で様子が変わる生コンクリート。ポンプを操作する面白さや特殊車両を扱う充実感は、仕事の大変さをも凌駕する! コンクリート圧送工の仕事を紹介します。

樽井 剣冬さん(29歳)

職人歴10年

19歳でコンクリート圧送を請け負う誠商会に入社。22歳で普通免許を取得し、24歳で中型免許を取得すると同時に1人で現場で作業をする圧送工となる。

時間の勝負や機械の制御。奥深さに面白さがある。

 ポンプ車を使い、圧力によって生コンクリートを送り込むスペシャリストがいる。コンクリート圧送工、またはコンクリートポンプ車オペレータなどと呼ばれる職人だ。樽井さんはこの道10年の職人。「ポンプ車ってなんだ?」からスタートして一人前になった。

「機械(ポンプ)を操作して生コンを送る。目的はそれだけなんですが、そう簡単なもんじゃない。ホースは重いし、圧送中には暴れるホースを抑えながら均等に充填しなければいけない。時間の経過によって変化する生コンはスピードが勝負。ホースやポンプは詰まりやすいので機材のメンテナンスもできなければいけない。でも自分の操作一つで負担が軽くなるし、基礎工さんと息が合えば仕事が明らかに速く、そして楽になる。成長と共に働いている実感が大きくなる仕事です」

いつのまにか自分の作業着も現場自体も汚れが少なくなる。抱え込むホースは軽く感じる。目に見えて上達を感じることがヤリガイとなり、新人の頃の大変さは懐かしい思い出となった。

 「夏はすぐに生コンが固まるし、冬は逆に中々固まらない。1年やって、やっと仕事が分かり始めたと思います。それまでの間、先輩たちや基礎工さんや監督さんが良くしてくれて、仕事を楽しく覚えられたのが良かった。『ホースの先端やります!』って、自分から言って覚えた仕事なので、いろいろと作業の面白さを見つけられました」

ポンプ車の下準備

ポンプ車の下準備

ポンプ車のブームを伸ばすため、アウトリガーを張り出す(写真上)。ミキサー車から生コンクリートの供給を受ける前、配管の詰まり防止のためにポンプ車のホッパーでセメントと水を入れて練っておく(写真下)。砂利や砕石の含まれないセメントだけを先にホー スにコーティングすることでポンプの故障を防ぐ重要な工程。

生コンクリート受け入れ

生コンクリート受け入れ

ミキサー車の生コンクリート排出口(シュート)をポンプ車のホッパーに合わせて車を誘導(写真上)し、生コンを受け入れる(写真下)。生コンクリートが硬化する前にすぐミキサー車が来たら作業できるためにも下準備は大切。

生コンクリート圧送

生コンクリート圧送

ポンプ車のブームを操作し、生コンクリートを流し込みやすい場所にホースを移動させる(写真右)。中型ポンプ車など1人でポンプの操作をしながらホースを持って流し込みをする場合、腰に装着したリモコンでブームとポンプを操作し、ホースを脇に抱えて作業する(写真上)。慣れると圧力を自ら調整することで軽く感じ、また生コンクリートが均一に流し込まれるようになる。

今号の取材協力は……

(株)誠商会
TEL.04-7173-8028
千葉県柏市光ケ丘2-23-10
◆設立 2009年 ◆従業員数 約30人

戸建て住宅の基礎を主にコンクリート圧送工事を請け負う同社。現場は関東全域。ポンプ車は19台所有。20代から30代前半の職人が多く、「仕事以外でも飲みに行ったりするほど仲が良い」らしい。

POWER WORK 252号 2021.11.29発行
Photos/ Ichiro Sakai, Composition/ ad-giga

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