特集!!|災害の復旧と対策。地域を支える土木工事。巴山建設(株) | POWER WORK[パワーワーク]

災害の復旧と対策。地域を支える土木工事。

地震や台風など、自然の力が突然襲い掛かる災害。その復旧にいち早く対応し、また将来の災害に備える土木工事の現場を紹介します。

のり面とは人工的に整えられた斜面のこと。重機オペレータの繊細なテクニックによって、計算された勾配になるよう丁寧に削られる

のり面とは人工的に整えられた斜面のこと。重機オペレータの繊細なテクニックによって、計算された勾配になるよう丁寧に削られる

地域を支える工事にある 緊張感と大きなやりがい。

 2019年10月、日本の各地で大きな爪痕を残した台風19号。圏央道あきるのインターチェンジへつながる新滝山街道は土砂崩れにより通行止めになった。2年経った現在、今後も同様な自然の猛威に対応できる『のり面保護工事』が行われている。この災害対策工事を請け負う地元の土木施工会社が巴山建設。現場を管理する土方さんは「二次災害を一切起こさない工事」を最優先に考えている。

「目の前の状況から真っ先に対応するのが災害復旧工事です。そこにはゆっくりと考えている時間はありません。しかも現場はいつ再び崩れるか分からない状況。工事の進捗を確認しながら修正を繰り返し、地域の生活を取り戻します。一方、災害対策工事は、地域の財産を守る工事。計画と準備を万全にして挑めますが、やはり想定外の状況は当たり前のようにあります。大地という自然相手の仕事なので、その困難さがむしろ土木工事の醍醐味。人間の知恵で絶対的な安全を確保しながら、自然に挑む仕事なんです」

 緊張感の続く災害復旧・対策工事。現場の様子を教えてくれたのは、同社で広報を担当する渡口さんだ。

「私たちの現場の作業員さんたちは、安全のために余裕をもって仕事をしています。確かに現場は緊張感にあふれ、ストレスもあるはずです。しかし余計なストレスは安全面に大きな影響を与えます。そのことを大切に考えている現場管理の人たちが率先してリラックスできる雰囲気をつくり、作業員たちは和やかでありながらも真剣に集中して作業をしています。その様子を私の個人的な感想で言うと『みんなカッコイイ!』なんです」

 災害復旧・対策工事は絶えず緊張感と向き合いながらの作業が続く。そのストレスを表面に出すことなく地域を支える土木工事。その現場に立てば、地域の人びとの生活を支えている実感に満たされるだろう。

雨が降ると地盤が不安定になる。作業の進行と中断の判断は、工期を預かる現場管理者にとって難しい

雨が降ると地盤が不安定になる。作業の進行と中断の判断は、工期を預かる現場管理者にとって難しい

崩落した部分のほか、今後崩落が起きやすくなった場所を含めて対策工事を施す。常に現場の状況を監視して二次災害を防止する

崩落した部分のほか、今後崩落が起きやすくなった場所を含めて対策工事を施す。常に現場の状況を監視して二次災害を防止する

災害発生時、右側の2車線は土砂に埋まった。1車線を確保した後、のり面保護工事が行われている

災害発生時、右側の2車線は土砂に埋まった。1車線を確保した後、のり面保護工事が行われている

今回の取材協力は……

巴山建設(株)
TEL.042-484-2828
東京都調布市多摩川2-25-1
https://www.tomoyama-group.co.jp

河川の護岸工事、橋梁、道路など公共工事の現場を請け負う同社。エリアは東京都が中心。また大手ゼネコンの下請けとして宅地造成工事も請け負う。社員は30代が中心。重機はICT建機を含め計27台、ダンプは10t車85台を含め100台以上所有。

POWER WORK 244号 2021.8.2発行
撮影●松谷祐増 構成・取材・文●アドギガ

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