特集!!|つくり出す製造。つくり上げる施工。緻密で壮大!プラント配管。(株)北浦工業 | POWER WORK[パワーワーク]

配管工事という言葉はよく聞くけれど、プラント配管とはその名の通り工場に特化した配管のこと。スケールの大きい仕事を紹介します。

プラント配管が持つ
責任とヤリガイの大きさ。


 原油からガソリンや軽油など様々な液体燃料を製造する石油精製プラント。さまざまな機械を経て加工される液体に対し、パイプは太さも長さも桁違いに大きい。さらに超高温、超高圧を求められる場合もあり、品質精度は非常に厳密。パイプの断面や溶接内部の亀裂や気泡も細かく検査される。

 こうしてつくり出されたパイプを現場に納入して組み立てる施工もまた特殊だ。プラントが想定する機能を発揮するために求められるのは、図面に忠実な施工。操業中のプラント内で管理された安全と工程。そして現場で働く作業員の多さ。プラント配管だからこその仕事がここにある。

 北浦さんはプラント配管の施工管理を始めて1年目。祖父が創業した会社ではあるが、仕事の内容を詳しくは知らなかった。

「監督からの指示を確実にこなすことが求められています。でも決して指示だけをこなせば済む仕事ではありません。最終的なゴールをイメージして、そこにたどり着くために何をすれば良いのか一つひとつ意味を考える。それが作業だけでなく現場全体を動かすことに繋がると考えています。今の僕の

課題は図面に関してのノウハウをもっと身に付けること。寸法や角度、取り付け方など、その都度細かな検査があるので、図面の大切さは身に染みています。一方、まだ1年ほどの経験ですが、仕事へのプライドは確実に感じています。僕らの手掛けたプラントが操業を始め、製品が生まれ、多くの人が利用する。そこがこの仕事で自慢したいことですね。毎日が試行錯誤で厳しさを感じますが、頑張れます」

 広大な現場に太いパイプ。プラント配管の仕事は見た目のスケールだけではなく、責任のスケールも大きい。しかし最初は誰もが未経験。プラント配管ならではの仕事を身に付けたい人には、この上ないスケールのやりがいを感じることができるだろう。

細部まで目を配る心が
技術力を上げる。


 現場で配管の取り付けをスムーズに行うため、工場では各パーツの仮止めや加工を行う。前間さんはその工場で配管の製造ラインをまとめている。

「求められる品質は高く、技術力も必要なのですが、気持ちさえあれば誰にでもできると思いますよ。ウチは最初の2ヶ月ほど、資材センターで溶接や道具の使い方を研修します。だから私も最初から安心でした。ただ、先輩たちとはスピードが違う。例えばパイプの切断面に手作業で30度の角度を付けます。慣れないうちは、何度も確認しながら削るので遅いですよね。でも気が付いたらできるようになっています。 センスは慣れることで磨ける。続けることで技術は身に付きます」。

信頼の品質がつくられる工場の製造工程

1 切り出し

図面を元に各パーツ毎の寸法を出しておく。その指示書を元に各工程で作業が始まる。

2 切断

パイプを切断する機械にデータを入力。刃の厚みがあるので、機械に頼らずに目視でもサイズを確認。

3 磨き

グラインダーで切断面を磨く。均一に所定の角度を出すのが難しい。切断と磨きが工場に配属されて最初の仕事。

4 仮止め

現場へ搬出するため、ある程度のパーツをここで接続。水平垂直を厳密に測り溶接する。溶接技術や正確な作業が求められるので、十分な経験が必要な工程。

5 最終チェック

仮止めまで終えた部品が図面通りに組みあがっているか最終確認。その後、本溶接・検査・テストをし、これらを搬出して現場の施工担当者に引き継ぐ。

今回の取材協力は……

(株)北浦工業
TEL.044-287-9701
神奈川県川崎市川崎区藤崎4-33-25(本社)
千葉県袖ヶ浦市長浦580-131(工場)
◆設立:1987年 ◆従業員数:約40名
http://www.kitaurakogyo.co.jp

石油化学工場やコンビナート、タンクヤードを始め、様々なプラントの配管製造、施工、メンテナンスを手掛けている同社。大規模なプラントも一括で請け負い、その現場は北海道から沖縄までに渡る。

POWER WORK 241号 2021.6.21発行
撮影●酒井一郎 構成・取材・文●アドギガ

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