特集!!|パワーワークの建設業応援プロジェクト 『高校生の 鉄筋工体験レポート』 | POWER WORK[パワーワーク]

建設業の未来を担う若者のためにできることは!?

 パワーワークは年に数回、様々な場所で職人体験をはじめとしたイベントを開催しています。今回は、都内定時制高校の生徒さんたちに現役の鉄筋工が、技術の指導から鉄筋を組む面白さを教える職人体験を実施。1年生から3年生まで(取材時の3月19日時点)、約20人の生徒さんが参加してくれました。
 北豊島工業高校での開催は昨年の型枠と鉄筋という躯体体験に続いて2度目。今年は鉄筋工事に絞り、国家資格である鉄筋3級技能士の検定内容に沿って鉄筋の組み立て方を体験。教えるのは日中の現場作業から駆けつけてくれた開成鉄筋(千葉県佐倉市)とヤマガタ鉄筋工業(東京都八王子市)の職人さんたち。
 まずは各社がスライドで鉄筋工事の概要を説明。その後、図面を見ながらこれから組み上げる鉄筋が建物のどの部分になるのか確認し、配筋から作業を開始。ただの「結束作業体験」にはならないよう、また実際の現場とは違い「鉄筋の楽しさ」を実感できる職人体験になりました。

先生が期待したいコト

東京都立北豊島工業高等学校
定時制課程教務部 機械科
相馬 敦先生

父親が塗装工で子どものころから憧れを持ち、高校卒業後に塗装工となる。自身も28期生として職人としての基礎を学ぶ。現在、職人としての仕事と並行し、講師として塗装法を担当する。

技術指導してくれた2社ともに、オリジナルの映像で鉄筋工の仕事を解説。

初めて安全帯を装着。その仕組みと安全への重要性を聞く。

ハッカーを手に、結束作業のイメージ。このときはまだ、結束の難しさを生徒たちは知らない……。

配筋図だけでは自分のつくるものへのイメージが湧かない。職人さんに建物のどの部分なのか、似ている場所を教えてもらう。

職人さんは説明しながらあっという間に結束するが、実際にやってみると時間がかかるし綺麗にまとめられない。多くのコツがあることを教えてもらう。

仕事を教えてくれた先輩職人さん

開成鉄筋(株) 取締役部長
薮 建次さん〈16年目〉

 仲間と一緒につくり上げるチームワークの醍醐味を感じてもらえたのではないでしょうか。実際、仕事の現場には厳しさがあります。たくさん悩みながら一人前の鉄筋工になります。その壁を乗り越えたときに感じる楽しさを、今回は特に意識して教え、また生徒さんたちの様子を見ても伝えられたと思っています。

(株)ヤマガタ鉄筋工業
茂木 綾花さん〈4年目〉

 鉄筋の仕事は難しくて楽しい!それを知って欲しい思いで生徒さんたちに教えました。基本であり重要な結束作業ができるようになる面白さから、頑丈な建物をつくるために必要な鉄筋の意義まで感じてくれていたら嬉しいです。是非、お友達にも広めて、若い職人が増えて欲しいと思っています。

鉄筋体験はどうだった?『生徒さんの声』

3年(取材時)
渡辺 龍平さん

 鉄筋の結束は難しさを感じると同時に、うまく綺麗に丸められた感覚など楽しさもありました。私の祖父が大工なので建設業自体は身近に感じていたのですが、大工のほかに鉄筋工も将来の選択の一つとして考えようと思います。

POWER WORK 240号 2021.6.7発行
取材協力●戸田建設(株) 撮影●清水真帆路 構成・取材・文●アドギガ

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