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特集!!|「重機オペレータの憧れ!巨大重機で仕事がしたい!」(株)ナベカヰ
現場の中心となって作業する重機オペレータに必要なことは?世界記録認定の作業高を誇る解体重機のオペレータにインタビュー。資格以外に不可欠なものがありました!!
入社歴29年。16歳で解体工となる。ビル解体の現場を求めて20歳で転職。12tの重機オペレータから始め、現在は2005年に世界記録に登録された世界最大の解体重機「SK
3500D」を担当。釣りが趣味。
人が重機を操り、
重機が職人を育てる。
重機の誕生によって建設現場は変わった。人力では得られなかった強大な力により、もっと高く、もっと深く、もっと多くの作業が可能になった。その重機を扱うための資格とは?「免許で仕事ができるわけじゃない」というのは、世界最大級のビル解体重機を操る横山さんだ。
“資格”というと車両系建設機械などをイメージすると思うので、仕事に必要なものは“資質”と呼ぶべきものかもしれませんね。現場は重機を中心にして大勢の職人が働いています。足場を担う鳶工。鉄骨を溶断する鍛冶工。水を撒いたり臨機応変に対応する手元。その他、現場に立つ一人ひとりの動きを目視できない部分や数分後の現場の状態までも把握できることが重機オペに必要なこと。重機が大きくなるほど
イメージしなければならない範囲は大きく広がります。大きな重機で仕事するためには、その分大きな責任感や心配りといった人間性も重要なんです」
横山さんが普段現場で操る「SK3500D」。その巨大なアタッチメントの一つ、大割ニブラーは最大開口幅が3mにもなり、巨大なコンクリート梁でも圧砕できる。
現場すべての職人が作業中に安心感も持てることは、重機オペレータへの信頼感の証。すなわち、現場から信頼を得られる操作が横山さんの言う「重機オペレータの資質」なのだろう。
「すべての重機の動きは、全員の安全の元に成り立つもの。その中で最大限に能力を発揮するために経験を積む必要があるんです。重機を動かしながら怖さを感じ、安全な作業が何かを心の奥底で理解して次に活かす。その繰り返しが操作技術の向上と共に、現場からの信頼を得て行くんです」
人が重機の能力を発揮させ、そして重機がオペレータを育てる。さまざまな重機、巨大な重機のあるところに最高の重機オペレータとそれを目指す人たちがいた。
SK3500Dの概要
製造:コベルコ建機(株)
最大作業高:65m超(4つ折れATT仕様時)
全装備重量:335.0t(セパレートブーム(作業高32m以下)仕様時)
解体構造物により、SK3500Dのブームを入れ替えることで作業高32mまでから最高65mまで対応可能。高さによって使用可能なアタッチメントは異なり、セパレートブーム仕様で使用できる最大の大割ニブラーの破砕力は670tにもなる。
世界記録認定の主力解体重機
横山さんが普段操る世界最大級の超大型解体重機が『SK3500D(1号機)』。2005年9月19日に「世界最大の作業高さ(65.126m)を記録した解体機」として世界記録に正式登録。ビル20階相当の高さを対応する。
2007年にはセパレートブーム仕様となる2号機を導入。作業範囲が広くなり、また大割ニブラー、鉄骨カッター、10㎥バケットといったアタッチメントも同時開発。より幅広い作業が可能となり、ナベカヰの解体現場の主力として活躍している。
スペイン語で「ザリガニ」の意味を持つ双腕の解体重機「ASTACO(アスタコ)」。2本の腕で支えながら引き出す、つかみながら切るなど、これまで息の合った2台の重機で行っていた作業が、人間の動きに近い動作をするこの1台で完結。より安全で精密な解体ができる。
今回の取材協力は……
(株)ナベカヰ TEL.03-3684-5848(代表) 東京都江東区亀戸2-3-21(本社) ◆設立1961年 ◆従業員数108名(2020年3月末現在)
https://www.nabekai.co.jp/
プラントや高層ビルなど大規模建造物をはじめ、難易度の高い解体工事も請け負う。世界記録認定の大型重機など多数の重機を保有。重機に描かれたキャラクター「ナベカヰくん」がかわいい。
POWER WORK 237号 2021.4.19発行 撮影●酒井一郎 構成・取材・文●アドギガ
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