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特集!!|「土砂災害から地域を守れ!のり面工事の仕事。」(有)北要工業
線路の橋脚があるのり面を保護し、より強固で安全を確保するのり面の保護工事。作業にはロープ高所作業特別教育が必要
土砂の崩落を防ぎ、地域の財産を守るのり面工事。斜面の複雑な凹凸に合わせて枠が覆われているその現場は、プロの技術によって支えられていた!
のり面工事 とは?
日本の国土の6割は山地であり、丘陵地や台地を合わせれば8割超。その場所で私たちが生活を営むために土地を切り開き、住宅地をつくり道路や線路といった交通網を整備することは欠かせない。切土、盛土によって発生した人工的な斜面が「のり面」であり、崩落しないように整えたり、植栽したり、モルタルなどで覆う工事をのり面工事という。
のり面工だけが味わえる、誇れる技術と仕事の意義。
崖や斜面の崩落を防ぐため、強固に覆うのり面工事。日本全国、地域の財産を多数守ってきた北要工業の工藤氏に、その仕事を教えてもらった。
「皆さんが良く目にするのは格子模様のフリーフレーム工法だと思います。斜面に沿って鉄筋を組み、そこにモルタルを吹き付けて最後はコテで仕上げます。鉄筋工や左官工、鳶、土工といった様々な要素があり、そのほとんどがロープで体を保持しながらの作業です。急斜面の高度差に感じる怖さは、土砂災害から地域を守っている自負が簡単に打ち消してくれますよ」
様々な建設系職種の経験が活用でき、それでいて未経験者でも問題ない。自然の地形を相手にした仕事だから、のり面での経験が重要なのだ。
「急斜面の不安定な足場や上から下への縦の動き。鉄筋の結束一つをとっても鉄筋工のそれとはまったく違うことに気づくと思います。のり面の現場経験の数が職人を育て、それをサポートする多くのノウハウを安全に教えるのが私たち。経験もセンスも性別の差もありません。地形を考え、地層や地質に注意して得られる経験こそが、のり面工になるために必要なんです」
236号画像
▲骨組みとなる鉄筋の結束作業。地形の形に沿ってのり面を覆うことが可能で、国内では最も一般的といわれる
▲エアーで圧送されたモルタルを鉄筋と金網に吹き付ける。格子状の部分をコテで形を塗り仕上げる方法もある
▲骨組みとなる鉄筋の結束作業。地形の形に沿ってのり面を覆うことが可能で、国内では最も一般的といわれる
▲エアーで圧送されたモルタルを鉄筋と金網に吹き付ける。格子状の部分をコテで形を塗り仕上げる方法もある
今回の取材協力は……
(有)北要工業 TEL.080-8808-8949 神奈川県横浜市磯子区上中里町443-8 ◆設立1978年 ◆従業員数7人
https://hokuyou-kogyo.com
のり面工事の一式を請け負う同社。施工現場が日本全国に広がり、昨年、拠点を札幌から横浜に移転。北海道南西沖地震や東日本大震災を始めとした数々の災害復旧のほか、各地の高速道、鉄道の現場で豊富な実績がある。
POWER WORK 236号 2021.4.5発行 撮影●松谷祐増 構成・取材・文●アドギガ
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