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特集!!|「家づくりのあらゆる技術を持つ 大工という仕事」(株)谷口建設
(株)谷口建設 代表取締役 谷口 直輝さん(52歳)
子どもが将来なりたい職業として昔から変わらず上位にランクインしている職業が“大工さん”。大人になった今、大工がカッコよく思える理由は、その険しい職人の道にありそうだ!
苦労して身に付けた技術は、生涯にわたって裏切らない。
木材を切り、組み、釘を打つ大工。「35年経った今も勉強中だよ」と職人の道の険しさを語るのは谷口さんだ。
「新人を早く戦力として現場に出すためにも家づくりの作業の一部を専門に請け負う会社は多い。必要な知識や技術を集中することは時代の流れで仕方がないと思うよ。若いうちから稼げるしね。ただ忘れちゃいけないことは、若い頃よりも体力やスピードが落ちる年齢になったとき、同じように稼げるかということ。経験や技術でカバーできるのは、奥深い仕事をしながら常にその道を進んでいる人だけ。簡単に稼げる仕事は後から来た人にあっという間に抜かれるよ。だから俺らのような町の大工は、最初は厳しいんだけれど、それなりに確かな技術で稼ぎ続けることができるんじゃないかな」
235号画像
▲木材の切断は丸ノコがメイン。ノコギリよりも扱いやすいが、貴重な材料に手を加える責任は変わらない
▲玄翁よりも多数の釘を迅速に打つことができる釘打機。現場では「テッポウ」とか「ガン」などと呼ばれる
▲木材で家の骨組みとなる柱や梁、筋交いを組む木造軸組工法(在来工法)。交差部をボルトで強固に組むことも多い
▲木材の切断は丸ノコがメイン。ノコギリよりも扱いやすいが、貴重な材料に手を加える責任は変わらない
▲玄翁よりも多数の釘を迅速に打つことができる釘打機。現場では「テッポウ」とか「ガン」などと呼ばれる
▲木材で家の骨組みとなる柱や梁、筋交いを組む木造軸組工法(在来工法)。交差部をボルトで強固に組むことも多い
職人の道が長く険しいことは、今も昔も変わらない。しかし多くの情報にあふれている今の時代、目に華やかで耳障りの良いものが目立つ。その一方で苦労する覚悟が必要な選択肢があることを忘れてはいけない。
「好きじゃないと続かない。本当に好きならば、それはその仕事を続けられる大きな素質だけれど、その覚悟をはじめから持っている人は少ないよね。ウチは家一棟をつくる現場だけじゃなく、外壁張りや建て方だけの現場もあるから、そこから始めても良いと思ってる。家づくりの仕事すべてに興味をもったら大工になれば良い。若いうちに苦労して身に付けた経験は、簡単に自分を裏切ることはないよ」
235号画像
▲カンナで木材を削ることも大工ならではの作業。表面を削って滑らかに整えたり、寸法の微調整をする
▲叩いて資材の隙間を開けたり、押し込んだり、釘を打ったり。その音から玄翁を「トンカチ」と呼んでいたという説がある
▲建築の現場は従来の尺貫法が一般的。メートル換算するのではなく、感じられることが成長の証
▲カンナで木材を削ることも大工ならではの作業。表面を削って滑らかに整えたり、寸法の微調整をする
▲叩いて資材の隙間を開けたり、押し込んだり、釘を打ったり。その音から玄翁を「トンカチ」と呼んでいたという説がある
▲建築の現場は従来の尺貫法が一般的。メートル換算するのではなく、感じられることが成長の証
今回の取材協力は……
(株)谷口建設 TEL.080-5373-1235 神奈川県横浜市旭区鶴ヶ峰1-86-72 従業員数 6人
神奈川県を中心に木造の戸建て住宅や集合住宅をつくる。目先の稼げる技術ではなく、末永く続ける職人の資質を教え、独立した職人も多数いる。
POWER WORK 235号 2021.3.22発行 撮影●松谷祐増 構成・取材・文●アドギガ
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