特集!!|ミドル世代を応援する 職業訓練、資格取得、正社員就職。 ドローンで測量現場へ。 | POWER WORK[パワーワーク]

無料で職業訓練と資格取得、そして正社員就職までサポートする「厚生労働省 就職氷河期世代の方向けの短期資格等取得コース事業『NEW STAGE』」が今年から始動。ドローンを用いた測量技術を学ぶ訓練を取材しました。
新たな技術を知る楽しさ。
測量現場は大きく変わる。

 建設現場ではドローンの活用が進んでいる。その用途は工事の進ちょく管理や既存構造物の保守点検、空撮写真を利用した現場の3Dモデル作成、さらには道路工事や造成工事などの切り土、盛り土の度量計算などさまざまな場面で施工管理や維持管理の業務効率化が図られている。

 ドローンと測量についてお話を伺ったのは、安田測量代表取締役の安田晃昭氏。「国土交通省航空局ホームページに掲載する無人航空機の管理団体」の一つ、全国建設産業団体連合会が行う「無人航空機安全技能証明試験」の専任講師でもある。

「生産性の向上。危険作業の減少。そして最も私が測量の現場で大きな効果を感じていることは、働く人が今までにない楽しさを感じているということです。ドローンの操縦、飛ばすためのプログラム、ドローンそのものに面白さを感じる人もいます。測量の現場で働くための知識は私たちが教えます。何も知らなくていい。体力の心配もいらない。建設業への興味とヤル気さえあれば、近い未来の建設業界の第一線に立てるんです。それを多くの人に知ってもらい、今からチャレンジしてもらいたいと思っています」

 これまで必要だった2名以上の測量技術者が、ドローン導入により1名の測量技術者と安全監視員だけで可能となった。測量地点へ歩くことも、未整地エリアに立ち入る危険もなくなった。そして得られたデータは瞬時にアプリケーションによって可視化する。
 これが測量現場でのドローン導入効果の一部。技術者は、現場で新たなものに挑戦する意欲と、働くことの楽しさを大いに抱ける。その環境が新時代の建設業界の姿だ。
 建設業界は※ICT施工が推進されている。誰もが働きやすく、常に高品質で、大きな魅力を持つ業界に変わろうとしている。その最先端の立ち位置は、未経験のアラフォー、アラフィフ世代にも大きなチャンスがあった。

※ICT(Informartion and Communication Technology):情報通信技術。特に建設業界での取り組みを指してi-Constructionとも言う。

受講生インタビュー 建設業ドローン操縦コース
だから受講を決めました!

不安より好奇心が大きかった。

 この事業を紹介している『NEW STAGE』のパンフレットを見たことがきっかけですね。「ドローンを建設業で使うの?」というのが第一印象。ただ、年齢のこともあり、最初は建設業で働くことが難しいと感じていました。
『NEW STAGE』には、49歳という年齢でもチャンスをもらえること。就職先を紹介してくれること。そして何より、ドローンを使った建設現場に近い未来の姿というか、これから始まる新しい世界を感じ、不安よりも好奇心がどんどん膨らんで受講を決めました。
 建設業界は新3K(給与が良い、休暇が取れる、希望が持てる)に変わろうとしています。ドローンをはじめ、遠隔操作などの新しい技術もこれから増えると考えています。今の段階で最先端の技術に関わり建設業で働けるヤリガイを感じながら、修了後は地元の測量会社で働くつもりです。

お母さんの仕事は「ドローン測量士!」

 上の息子が大学に入学したのを機に、働こうと思ってハローワークに行きました。前に工場で設計の仕事をしていたので、今回もパートではなく働きたかったんです。『NEW STAGE』を知ったのはそこでした。
 今まで建設業で働いたことはありません。叔父が測量の仕事をしていたのでカッコいい仕事だとは思っていましたが、それをドローンを使って仕事をする。正直言えば、「ドローンを飛ばして測量してるんだよ」って言えたらカッコいいとも思ったんですよね。
 未経験でも、また女性でも建設業で働くことがこんなに身近だとは思っていませんでした。しかも単純に働いて生活費の足しにするだけではなく、ドローンというこれから多くの現場で必要とされる技術を身に付けられる。そして家族にも周りにも自慢できる仕事に就くきっかけができて良かったです。

ミドル世代の建設業 NEW STAGE

「厚生労働省 就職氷河期世代の方向けの短期資格等取得コース事業『NEW STAGE』」。建設業に興味を持つ35歳から54歳を対象に、正規雇用に有効な資格取得や技能習得といった職業訓練をする。さらに訓練修了後には就職支援も実施。期間は令和2年度から令和4年度までの3ヶ年。
 新たな世界で自分を挑戦したい人。仕事にやりがいを見つけたい人。正社員として安定を求めたい人。そんなミドル世代に対して、建設業界は新たな舞台を用意している。

応募要項
対象者●35歳から54歳まで。
各訓練コースの「チェックリスト」で受講要件を満たしている人
参加費用●無料
(交通費、食事代、テキスト代、保険料は自己負担)
訓練期間●1ヶ月程度(土日祝含む)
選考●申し込み後、電話などのヒアリングで選考
申し込み方法●各コースのWEBサイトを参照
◆職業訓練受講給付金の対象訓練
※各詳細は「NEW STAGE」のWEBサイトを参照。
◆WEBサイト◆
https://kensetsu-welcome.com/newstage/

今回の取材協力は……


(一財)建設業振興基金
(一社)栃木県建設産業団体連合会
(株)安田測量

POWER WORK 228号 2020.12.7発行
撮影・ドローン撮影●酒井一郎 構成・取材・文●アドギガ

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