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特集!!|伝えたい! 建設業の誇り!(株)澤田組
現場を知る社長 から現場を知りたい読者 へ
伝えたい! 建設業の誇り!
千葉県の外房に位置し、九十九里浜に面した山武市。この地から建設業の認知度をあげようと情報を発信する澤田組。社長の澤田氏に地域の建設業の課題と可能性を伺いました。
株式会社 澤田組 代表取締役 澤田千明氏
「建設業」を知られていない危機感。そこから情報発信が始まった。
建設業界の情報発信に力を入れている理由を教えてください。
澤田千明氏(以下、澤田) 建設業には数多くの専門施工会社が存在します。しかし「建設業」と一括りにしてしまったとき、具体的に私たちがどのような仕事をしているのかイメージが湧かず、興味も感じてもらえないと思ったんです。
10年ほど前、地元の高校で就職の話しをさせて頂く機会がありましたが、生徒さんは「建設業って何?」という雰囲気でした。「建設業」という言葉を知らないとは思えません。そこで作業の様子が分かる会社案内を制作しました。説明は私ではなく若い社員。試行錯誤しながら3年目には明らかに生徒さんたちの反応は変わっていましたよ。
現在、私たちは自社のホームページにも現場の写真などを掲載し、ブログも更新しています。アクセス数も伸び、実際に求人の効果も出ています。
さらに弊社が所属する協力会メンバー約40社と共同で、求人情報などのサイトを構築中。情報発信をネットで広げようと力を入れています。「人手不足だ」と言うだけでは何も解決しませんからね。
どのような内容が若者の興味を引いていますか?
澤田 弊社のホームページに掲載している作業中の社員の楽しそうな様子です。実際の仕事には厳しさや辛さもありますが、それだけではないから誇りを持って働いているんです。そのモチベーションが最高になった瞬間の表情をこれから働こうとしている人に一番感じてもらいたい。
また、例えば九十九里浜の通称「波乗り道路」の現場など、公共工事の現場にあるスケール感など、普段なかなか見ることができないようなリアルな建設現場の様子も見せています。
これからも建設業に「面白そう」と興味を持ってもらえそうな情報を伝えていきたいと思っています。
オールマイティな職人が、地域の現場で求められている。
興味を持って建設業に入職した若者に対し、アドバイスをお願いします。
澤田 あまり気負わないでください。最初はわからなかったりできなくて当たり前。そこで悩んだことは、後で必ず自分の力で解決しているものです。
先輩の指示に納得できなくてムカッとくることもあるでしょう。そんな経験は私にもありました。しかし一歩引いて考えると、意外と単純に納得できることがほとんどなんです。
弊社の場合なら、最初から完璧に理解しようとしなくても良い。何となく納得しながら、忘れたころに「なるほど!」と気づくことはたくさんあります。経験や知識が増えると、いつの間にか解決しています。
経験の一つには失敗もあります。これも必要なことだと私は思います。「なぜ失敗したのか」、「どうすれば良かったのか」と自分で考えた結果は、確実に本人の能力となります。
私たちは失敗も大事な経験だと考えているので、実際に致命的な失敗をさせる環境に若手を置くことはありません。できることをさせながら成長させ、時には失敗もさせる。そのバランスが重要だと考えています。
職人の資格取得も重要視されているようですね。
澤田 高校卒業後、7年も経てば10種くらいの資格を取得。29歳を超えたら2級土木施工管理技士に挑戦し、1級まで取得できた社員も大勢います。
地域に根付いた私たちの現場では、書類作成から現地の測量、重機の操作など工事に関わることは何でもやるべきだと思っています。そのためにも多くの資格が必要。できる仕事が増え、手当ても付き、稼ぐ要因となります。また監督さんに仕事の提案ができる知識を得るためにも資格は有効です。弊社の社員はみんながオールマイティに作業できる多機能工。「澤田組との仕事は監督の負担が減る」と思われる仕事目指しています。
今回の取材協力は……
(株)澤田組 千葉県山武市木原1614 ☎0475-88-1463 設立2001年 従業員数15名https://sawadagumi.jp/
千葉県内の公共土木工事と一都三県のマンション建築現場で外構工事を請け負う同社。「私たち地方の建設会社から変えていきたい」と新しい取り組みを積極的に導入。まだ現場で働く女子職人はいないが、「設備など受け入れ態勢を整えたのでいつでも大丈夫」と男女を問わず将来の職人に期待している。
POWER WORK 209号 2020.3.23発行 撮影●清水真帆呂 構成・取材・文●アドギガ
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