特集!!|本物と呼ばれる職人へ(株)小原工業 | POWER WORK[パワーワーク]

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本物と呼ばれる職人へ

ゼネコンから一次施工会社として鳶工事全般を請け負う小原工業。大規模現場が多い同社で働く鳶のヤリガイとは何か?
社長の小原功淳さんから「建設業界で働くということ」と「現場での魅力」を伺いたいと思います。

株式会社 小原工業 代表取締役 小原功淳

株式会社 小原工業 代表取締役 小原功淳

知識、経験、技術を発揮する現場

御社が手掛ける主な現場と、働いている人について教えて頂けますか。

小原功淳氏(以下、小原)私たち小原工業では、国がプロジェクトする公共工事をはじめとした大きな現場が多いです。ゼネコンの一次下請けとして足場、クレーン、鉄骨といった一連の鳶工事を引き受けています。ウチは職人さんたちを直接雇用しているので、そのすべてに対応できる職人さんを育てなければいけません。当たり前のことですが一人前になるまでには当然時間もかかります。それでも育てることに力を入れる理由は、すべての鳶工事に対応できる職人さんが少なくなっている現状があること。そこに私たちの付加価値がついてきます。

未経験でもいきなり大きな現場で働けますか?

小原確かに敷居の高さを感じている人が多いようです。しかし大規模工事の現場では入場するための受入教育があり、何も躊躇する必要はありません。不安は誰もが最初に感じ、一歩踏み出す勇気が解決してくれます。むしろ最初からしっかりした環境で働いていればそれが当たり前のことになっていきます。私たちが育てたいのは、長きに渡り活躍できる本物の職人。だから私は未経験者を歓迎しているんです。

他人や目先に惑わされない!自分を磨ける会社は自分で選ぶ

本物の職人になるための道は決して楽ではないはずです。それでも努力して進む理由は?

小原自分の目指すものを見失わないこと。例えば給料や寮といった待遇面は確かに大事なことです。しかしその目先の条件に惑わされないようにして欲しいですね。
将来の夢は何なのか?
5年後、10年後、そしてその先。職人として向上し続けることや独立を目標とするならば、大勢の中から選ばれるような本物の職人になる必要があります。その真の技術を磨ける会社は決して多くはありません。どういった現場に関わり、どのような先輩や仲間と作業をしてきたのか。働く環境と実績はとても重要なことなのです。

鳶職人に相応しいタイプというのはどのような人ですか?

小原仲間とコミュニケーションが取れる人です。鳶の仕事は基本、チームワークで仕事をしますのでお互いの安全はすべてコミュニケーションを取ることによって確保されています。また職長さんなど立場が上がると、現場さんとの関係性や絆をより深く築いていかなければなりません。
ただ勘違いしないで欲しいのはおしゃべりとは違うということ。極端に言えば、話は苦手で愛想がない人でもいい。ただし、声を掛け合うことで自分だけではなく仲間の安全にも繋がることは、少なくとも理解していなければなりません。基本は声の掛け合いです。
また器用さで成長スピードは確かに変わります。着実に成長するならゆっくりで良いと思っています。もし不器用ならどうすれば良いのか? それは同じ指摘を何度もされないように気を付けること。それだけです。

仲間同士での「意思の疎通」。あくまで基本は声掛けだが、信頼度が高まるとアイコンタクトだけでも相手の気持ちをくみ取れるという。

プライドを感じずにはいられない

自分が働く会社を選ぶ際、注意点やポイントはありますか?

小原「本物」の定義が難しいのですが(笑)。ウチの場合、よく職人さんたちに言うことは「プライド」です。一次下請けで現場に入るので、ヘルメットには自分の会社の名前が入ります。職長になりめざましい活躍をすれば、完成時の表彰や記念品に社名と実名が入ります。だから自然とプライドを持つようになるのですが、評価は我々ではなくお客様がするのがこの世界。油断をしないように「職人としてのプライドと、常に向上心を忘れるな」と言っています。
もっと単純な話をすれば、大きな現場には大きな達成感がある。足場、クレーン、鉄骨と各工程を通して長い期間に関わり大型現場を施工する。それは家族に自慢したくなるものであります。結果として給料も保障も付いてくるものですが、稼げれば良いというわけではない魅力を感じる。

今回の取材協力は……

株式会社 小原工業
東京都墨田区江東橋4-16-1
設立1989年 従業員数約150人
http://obara-k.co.jp/

大手ゼネコンの一次下請会社として、公共工事やビル、マンション、複合商業施設など大規模な現場にて多数の実績を残している同社。現場のエリアは主に関東圏内。足場仮設、鉄骨建て方、タワークレーンの組みばらしなど鳶工事全般に渡る工事の一切を請け負う。

POWER WORK 209号 2020.2.10発行
撮影●清水真帆呂 構成・取材・文●アドギガ

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