職人歴37年 内装工(軽鉄・ボード工) 附田 光廣(62歳)
青森県出身。中華料理店で働きながら定時制高校で学ぶ。卒業後に内装工となり7年後に上京。一人親方として同社の現場で働いた数十年後、57歳で同社の社員になり職人を指導する。
(株)日商インターライフ
有名なテナントを始め、オフィスや学校での軽鉄・ボード工事を請け負う同社。10年後に100人の職人を育てる「匠プロジェクト」をスタートさせ、転職組だけでなく新卒からの入社も増えている
◆◆東京都荒川区東尾久4-16-12
◆☎03・3810・7111(代)
◆設立1975年 社員数110人(2018年12月現在)
職長として現場を切り盛りしつつ、育成にも力を入れる。
人材不足という建設業界が抱える課題に対し、「職人育成」は大きなテーマ。この道37年のベテラン職人である附田。職長として現場を切り盛りしつつ、育成にも力を入れる。
「若い頃は技術を一つひとつ覚えることで仕事がどんどん面白くなりました。裏を返せば、中々うまくできないときは辛かった。私もそういう経験をしてきたから分かります。教えられたのにどうしてもできないときもありますから。そんな若手の姿を見るのが今は辛いですね」
美味しいものを食べて気分を変えて、毎日の経験を積み重ねる。
指導する立場として、教え子が喜ぶ姿が嬉しいと言う附田。壁にぶつかったときのアドバイスを聞いた。
「先輩の真似。理解できるまで質問して、真似をしながら自分のやり方を見つけること。いつの間にか壁は超えているはずです。深く悩む必要はありません。美味しいものを食べて気分を変えて、毎日の経験を積み重ねる。美味い食事は悩みや辛さも一気に吹き飛ぶ。私の毎日の活力は、妻のつくったお弁当です
午前中の現場で困難にぶつかっても、愛妻弁当を食べた後の午後は軽く乗り越えられるという附田。技術だけでなく心のコントロールも一流職人の証
POWER WORK 206号 2019.12.23発行
構成・取材・文・撮影●アドギガ
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